日本に来てから、4年が経過しました。
見た目だけでなく(よく食べるようになったので、人生で今が一番太っている…笑笑)、ライフスタイルも考え方もいろいろ変わってきたと感じています。
今日はその中でひとつの変化について話します。
日本人と同様に、ベトナム人も麺料理が大好きです。
小麦、うるち米、もち米、緑豆、クズウコンのでん粉などを使ってブン、フォー、ミー、ミエンなど最低でも10種類はあります。
さらに、地方によって作り方が異なったり、卵、牛、豚、鶏、家鴨などの肉類、魚、貝、クラゲなど…食材の組み合わせにより、細かく数えると数十種類…もしかしたら百種類くらい麺料理があるかもしれません。麺料理の天国と言われるほどです。
北側で生まれ、南側で育った私は、子どものころからさまざまな店でいろいろな麺類を食べてきました。頭の中で、どういう麺料理が美味しいか、いくつかアイディアができました。
日本に来てからは、短い期間にそうめん、中華麺、そばを試してみました。
その中で、そうめんが一番好きでした。白くて長くて細い麺が、ベトナムのブンと同じだと感じたからです。
しかし、うどんを食べてみたいとは思いませんでした。
なぜならベトナムのほかの麺と比べ、うどんは太すぎてひと口で麺とスープ、具の旨みをすべて感じることができないのではないかと思ったからです。
さらに、仙台にいるときは、買い物はほぼ日本語学校の近くにある有名な仙台朝市でしていました。
新鮮で安い野菜、果物、肉、海産物などが多く、一方で加工食品は量も種類もあまりありませんでした。ですので、日本にいる最初の1年半は日本の麺料理について考えが変わりませんでした。
日本語学校を卒業後、進学のために千葉市に引っ越ししました。
ここでは市場ではなく、スーパーで買い物をしています。市場とスーパーの違いはあまり買い物をしない人でも知っているでしょうか。
スーパーでは商品の数が数えられないほど多いだけではなく、同じ商品でも味、サイズ、ブランドによって違うので、商品量が市場の数倍あります。
ある秋の日、よく通っているスーパーのそうめん・そば売り場が全部うどんに変わりました。
隣りの棚にはうどんのだしも置いてあります。うどんだけでこんなにたくさん種類があることに驚き、食べてみようと思いました。
それで、うどん1パックと汁と牛肉とネギを買って、インターネットのレシピの通りに肉うどんを作ってみました。うどんは意外に美味しかったです…。
柔らかい中にもコシがあり、口に入れて噛んだあと、ほんのりとした甘みが口の中に広がる感じ、この食感はベトナムの麺類にも、日本のほかの麺にもなかったように思います。その日から、うどんが一番好きな麺になりました。部屋にはいつもうどん(冷凍か乾麺)があります。明太バターうどんが一番好きです。
それがきっかけで、私は偏見について教訓を得ました。
最初は自分の知っているものより麺が太いため、ひと口で麺とスープと具の美味しさが感じられないと思っていましたが、実際にうどんを食べてみると、うどんの美味しさはその太い麺によるものではないかと感じました。もし私がずっと仙台市にいて、その市場で買い物していたら、いつごろうどんの美味しさに気が付いたでしょうか。
(担当:Kiwi)
もしベトナムの麺料理にご興味があるなら、下記リンクをご覧ください。
https://www.tnkjapan.com/blog/2021/03/05/vietnam_noodle_dish/