『終身の計は人を樹うるに如(し)くはなし ~『菅子』 三樹より~

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10年来ご縁を頂いており、いまの私の在り方に多大な影響を及ぼしているH氏に、コロナ以後、久方ぶりに連絡をしました。

言葉とは、単に何かを意味する記号ではなく、
その背景に物語があり、
言葉になることで余計な部分がそぎ落とされ哲学化する…

H氏の知見は、そんな故事成語の成り立ちを思い知らされます。

久しぶりの電話で、H氏は私に「三樹」を説きました。

「三樹」とは、中国の春秋戦国時代の「菅子」――斎の宰相管仲が書いたとされている――に出てくる一節です。

一年の計は穀を樹うるに如(し)くはなし。
十年の計は木を樹うるに如(し)くはなし。
終身の計は人を樹うるに如(し)くはなし。

菅子の中では「衣食足りて礼節を知る」という言葉が耳なじみ深いとは思います。
この中で、礼節を覚えるということは、衣食が足りているということの結果だと説いています。
では「衣食が足りている」ということは、何の結果であるかというと…三樹の結果であると言っていると捉えればよいでしょうか。

顧みて…システムを設計開発する弊社の仕事は、木を樹える仕事です。
現在のように変化の激しい時代とは言え、木(システム)を樹えるなら、10年先を見据えながらシステムを描く必要があります。

そして、弊社が木を樹える会社であり続けようと考えるならば、仕事としては木を樹えながら、人を樹え育てていかなければならないのだということに思い至ります。

陽の力も強くなり、すっかり暖かくなった2月末の週末。
久しぶりのサイクリングで河原を走り、空を眺めながらの考えごとでした。

(担当:TOY_BOX)