風の時代の兆候
lapis
「土の時代から、風の時代へ移った」
そんな言葉を聞いたのは、いつだっただろうか。
当時は、どこかスピリチュアルな比喩のように感じていた。
けれど今、振り返ると、どうにも今の社会変化の象徴のようにも感じ始めている。

土の時代とは何だったのか
土の時代は、とても分かりやすかった。
持っているものが価値だった。
- 土地
- 資産
- 組織
- 肩書き
- 資格
重く、動かないもの、積み上げられるもの、目に見えるもの。
それらをどれだけ「所有しているか」で、豊かさや幸福度が測られていた。
風の時代の入口で起きたこと
2020年、世界は強制的に“流動化”した。
- 人が移動できなくなった
- オフィスが消えた
- 物理的な接触が制限された
この時の価値軸の変化は、コロナ後にあっても変わらないでいるように思う。
所有ではなく、接続。
ストックではなく、フロー。
「何を持っているか」より「何とつながっているか」が重要視されている。
風の時代の正体
風の時代とは、動的なものの時代だ。
- 情報も、動かない情報ではなく、動く情報に価値がある
- 関係性も、固定的な関係も大事だけれども、関係性そのものが動くということが、大事になってきたように感じる
- 意味や思想も、固定化の時代から変化に対応する必要が生まれている
そして何より、「見えないものの価値」が重要になった。
いま起きている「兆候」
風は、目には見えないが、揺れで分かる。
いま社会のあちこちで、こんな揺れが起きている。
- 企業の価値が「財務」だけでは説明できなくなっている
- 社会的インパクトが価値だと考えられている
- SNSでの発信がキャリアになる
- コミュニティが企業よりも強い結束を持つ
- そのコミュニティも、地縁などの固定的なコミュニティではなく、趣味などの動的なコミュニティが強い
- 教育が「正解」ではなく「問い」に向かっている
- 「知識」や「正解」よりも、視点や感性が重要になった
これらがすべて、風の流れと言えるように思う。
ジオグリフ的な視点
私はいま、「見えない価値を循環させる」ことをテーマにしている。
それは偶然ではなく、時代の構造と一致しているのだと思う。
もし風の時代が本格化するならば、
社会は“可視化できないものを扱えるかどうか”で分かれていく。
測れないから無視するのか。
測れないものを測ろうとするのか。
その差が、きっと未来を分ける。
