万博は情報戦!

lapis

4月から開幕している大阪・関西万博。私は、6月に初めて訪問しました。

今回の万博は「並ばない万博」をうたっており、見たいパビリオンや体験したいイベントは事前に予約する仕組みです。

私が訪れた時点での予約方法は

  • 2か月前予約(抽選)
  • 7日前予約(抽選)
  • 3日前予約(先着)
  • 当日予約(先着)

の4種類に分かれていました。

6月に訪問した際は、すべての予約に外れてしまい、当日入場できるパビリオンを中心に回りました。それなりに楽しめたものの、なんだか物足りません。やはり話題になっている人気パビリオンに行きたかったという気持ちが残りました。しかし、それらの多くは事前予約が必要だったり、長時間並ばなければならないところばかりでハードルが高かったのです。

その後、7月に再び万博へ行く機会ができました。

前回まったく予約が取れなかった反省をふまえ、SNSで情報を集めてから挑みました。すると、7日前予約で家族3人分、3日前予約で1名のみですが、人気パビリオンを確保することができました。やはり、事前の情報収集は大きな差を生みます。

このような情報を知らない人は、どうしていたのでしょうか。
私は幸い2回訪れることができましたが、遠方から1回しか訪問できない人たちにとって、情報の有無が体験の質を大きく左右するのではないかと思いました。
これこそが「情報格差」なのだと、万博を通して実感しました。


私がSNSで情報を集めていた時に驚いたのは、公式の情報だけでは不十分な点を、多くの来場者が自主的に補っていたことです。

たとえば、会場で販売している公式の地図は、値段が高いうえに見づらいという声をふまえ、自分で地図を作成し、コンビニでプリントできるようにしている人がいました。その地図はA4版のほか、うちわに貼って使えるバージョンまで登場していました。
さらに、アイスクリーム、ビール、コーヒーやお茶などが飲食できる場所を、カテゴリーごとにまとめた地図を公開している人もいました。これを持っていれば、世界の味を効率的に楽しむことができます。万博会場はとても広くパビリオンの数も多いため、このような情報がなければ、偶然の出会いに頼るしかありません。

また、各パビリオンの待ち時間を共有するアプリを作った人もいて、現地の来場者がタイムリーに情報を投稿していました。そのため、アプリを見ている人は、自分の今いる場所から効率よくパビリオンを回ることができるのです。

ほかには、当日の予約開放時間の情報を発信力のある人に伝え、その人がSNSで拡散する仕組みもありました。フォロワー数の多い人を介することで、より多くの人に一気に情報が広がります。

こうした取り組みを見て、私は「SNSを活用した助けあいの情報戦」という印象を持ちました。見ず知らずの、これから万博を訪問する人のために、有益な情報を無償で提供する。これほどの“情報の善意”が自然に広がることは、他の国でもあるのでしょうか。日本ならではの、人のつながりと情報の力を感じました。

                               (担当:Chevalier)

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